多くの人は、「いま出来ていること」に特に問題が無ければ、「いまやっている方法でそのまま」続けていくことを望みます。
(この点については、いろいろな意味で重大な問題を含んでいるので、また改めて掘り下げたいと思います)
さて、業務使用において「枯れている」ことは重要です。しかし、年月を経て、そのままの形での継続使用が不可能になってしまった技術もあるわけです。
たとえば、長いこと使ってきたファイルサーバを、容量の問題などで置き換えなければならないとします。
個人で使う場合はさまざまな選択肢がありますが、お客さんの業務環境への導入とした場合に、
・Windowsのエクスプローラで操作する
・NASをやめて外部サーバ上に置きたい
・コピー速度の著しい低下/価格の著しい上昇は認められない
というような条件を置くと、選択肢はほぼSambaかWebDAVしかないということになります。
(以下長い冒険の旅のダイジェスト版であるため、細かい検証結果や数値などは全力で端折ってあります)
転送速度からするとSambaを選びたいわけですが、そもそもSambaは意外と(?)設定がヘビーであることで知られています。特に今回、Sambaで提供する共有領域として、ネットワークマウントしたストレージを使おうとしたため、かなりの長い期間格闘することになりました。(NFSなどを共有領域にするとハマる、というのは昔から言われていましたが)
・速度面からSMB2.0にしたい→XP未対応
・OSXで書き込みできない→OSXはnetatalkで提供することに
・netatalkでも書き込みできない→NFS上に. AppleDB置いちゃダメ
・Lion未対応
・FSのマウント時にlockオプションは外す
・設定が煩雑に
・さらにユーザー管理ががが
という具合にダークサイドに堕ちそうになったので、いったんやめて、「そもそもWebDAVだとどうなのか?」を検証することにしました。
速度の面では「Sambaの1/2〜1/3」という資料もあったのですが、実際にやってみると、Samba(ネットワークマウントではなくローカルに書き込み)の80%程度の速度でした。しかも意外なことに、ネットワークマウントした領域へ書き込んでもあまり速度が下がりません。また、WebDAVは比較的シンプルな規格だということもあり、Windows/OSXの別無く読み込み・書き込みともに、さほど細かい設定無く行なうことができます。
WebDAVの最大の問題点は、Vistaの64bit版で扱いに問題が出る、ということです。正直現時点では使用されていないのでスルーします。
セキュリティ的にどうなのか、というと、FTP・Sambaと同じようによろしくはないです。設定によっては穴が開きますし、脆弱性もあります。
最低でもIPAによる調査報告は読まないと危険です。
http://www.ipa.go.jp/security/fy14/reports/webdav/index.html
さてこれで、ネットワークマウントした領域をWebDAVで提供し、エクスプローラやFinderで読み書きすることが可能となりました。
とりあえず要件を満たして使えるようにはなったので、ここから、「エクスプローラやFinderを使わずにファイルを扱う方法」(つまり何らかのアプリケーションを使う方法)を気長に浸透させるという仕事になります。
ということで、物語は冒頭に戻るわけです。そしてその問題には様々な要素・側面があるので、また改めて。