「GPSってすごいんでしょ?cm単位で場所がわかるんでしょ?」というような質問をよくされます。
確かに新聞やニュースなどでGPSについて語られる時、「今は10cm単位でわかっちゃうんです」というような説明がされることもあります。
が、それは正しくありません。原稿書いている人も本当の仕組みを把握していないんじゃないかと思うことがあります。結果として、世の中にはGPS全般に対する過度な期待感というか、誤解が生まれてしまっているんじゃないかと思うのです。
まずGPSのおさらいをしますと、
- GPSは衛星から電波を投げ、受信するシステム(一方通行です)
- GPS衛星の電波は直進性が強いので空が広く見える場所である必要がある(=屋内で使用できない)
- 衛星はただ時報を投げてくるだけの存在
- 民生用と軍事用がある(軍事用の方が精度が高いですが利用できません)
- GPSで位置を認識するためには複数の衛星の電波を受け取る必要がある(計算で位置を算出する)
というのが概要です。
(元々船舶用なので、海上ではこれで全然問題ないですよね)
さて、Wikipediaによれば、現在のGPS衛星は、民生用では95%以上の確率で10m程度の精度で位置を取得することが可能とされています。
ここで重要なのは、
- 最高が10mであること
- 5%の確率で10m以上誤差が発生すること
- 10m/95%というのが限りなく理論値に近いこと
- 衛星から電波を受け取る装置の都合は想定していないこと
の4点です。
つまり、「10m程度の誤差で位置を認識できるはず」というシステムなのであって、「確実に10m以内に位置を確定できる」システムではないのです。
ではなぜ本来の力が出せないのかというと、いくつか理由があります。
- 精度の高い受信機は高価
アホみたいな話ですが、実は一番影響があります。最も入手しやすいのは数千円~1万円までの機種だと思いますが、その価格帯では正直まともに衛星の電波をキャッチすることすら難しいのです。たとえば、私の持っている8,000円程度の受信機は、晴天でないと衛星が複数キャッチできません。薄曇でも電波をつかまえるのに15分~30分かかります。 - 空が狭いと電波が弱くなる
あまり日常生活において「空が狭い」という言い方はしないと思いますが、これはまさに字面どおりです。ビルに囲まれた場所や高架のそばなどの人工物の存在だけでなく、崖下など自然の地形にも左右されます。 - 邪魔な電波/電磁波が多い
常にではないようですが、時々影響するようです。すぐそばを電車が通過すると精度が激的に下がる、という現象を何度か体験しました。
つまり、人間の生活している場所では、GPS精度の低下を防げないのです…。
実測してみたところ、数百m程度の誤差はあたりまえのように出ます。
10m程度の円内におさまるつもりでいるのに!
ところが、実はもっと大きい問題がひそんでいます。
なんと、世の中の「GPS機能」がついた機械というのは、実は多くがGPSではないのです!
じゃあ何だということになりますが、それはまた次回…。